第166章 彼らを救った

一瞬、有岡里穂は顔色を変えた。慌てて近くにいた看護師の腕を掴み、震える声で問い詰める。

「……私のおじいちゃんは? さっきまで同じ部屋にいた人は?」

看護師は一度だけ里穂を見てから、事務的に確認した。

「ご家族の方ですか? この病室にさきほど不審者が侵入して、老人が襲われました。患者さんのチューブ類も全部外されて……お二人とも救急で処置中です」

その言葉を聞いた瞬間、里穂の頭の中で――どん、と何かが爆ぜた。

「……どこに?」

看護師は廊下の突き当たりを指さす。

「救急処置室です。まっすぐ行けば分かります」

里穂は小走りで駆け出した。救急処置室の上には、赤いランプが点いている。...

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